今日は、「昆布」についてです。
その前に、予備知識をいくつか紹介しておきます。その1「Appellation d'Origine Contrôlée(A.O.C.)」
フランスのワイン、チーズ、バターなどに対して与えられる認証です。製造過程とか最終的な品質評価において、特定の条件を満たしたものにのみ与えられる品質保証で、日本語に訳すと「原産地呼称統制」です。その2「Bordeaux(ボルドー)とBurgogne(ブルゴーニュ)の違い」
Bordeauのワインは、その年に取れた複数の品種を調合し、その“Château(醸造所)”の特徴を出す。Burgogneは、その年の同じ畑で取れた、単一ブドウ品種を使用し、その“畑”の特徴を出す。コレが違い。その3「assemblage(アッサンブラージュ)」
調合の意味。ボルドー地方やシャンパーニュ地方に多くみられる。予備知識として、覚えといて下さい。
さて、いつも昆布を仕入れている業者が、「今年の(仕入れている産地の)昆布は不作で・・・。」と言ってきたので、思い切って昆布の産地を変えてみた。(・・・っというか、正確には、以前仕入れていた物にしたので、元に戻したと言った方が正しいですね。)ご存知でしたか?「昆布」の産地は、かなり細かく分けられていて、「〇〇の浜の利尻昆布」と、「△△の浜の利尻昆布」とでは、値段も味も香りも違うのです。しかも、採れた昆布を数年寝かすと、味・香りともに、より深く、円やかになるんです。
そう、ワインみたいでしょ??今までは、「〇〇浜の天然利尻昆布」を100%使用して出汁をとっていました(Burgogne的出汁)が、産地の特徴を理解すると、様々な昆布をassemblageし、自分の理想的な出汁(Bordeaux的出汁)をとる事が出来るのではないかと思いました。
これからは、Appellation Rishiri Contrôlée みたいに、昆布のA.O.C.が出来るかもしれませんね。